電波が悪いので、すっぱり諦め、3日間音信不通で過ごしていたのは、飯豊連峰に入っていたから。
先週の朝日合同保全の時に、梅花皮小屋の週末管理に入る小屋番さんに、同行させてくださいとお願いしたのだった。
オクノサワフタギ
あいにくの雨模様だが、少し小止みになったので、雨具は上だけ来て7時過ぎに出発。忘れ物してちょっと戻ったりして、相変わらずおまぬけ。登山靴とアイゼンのつもりでいたが、スバ長ならスパイク不要ということで、スバ長で。管理人さんはスパイク地下足袋。
石転びの出合には10時頃着。
10時半、いよいよ雪渓歩きに。
管理人さんは仕事で上がるので、あまり足を止めてはいけない・・・ただでさえ遅いおいらの歩みに付き合っていただいているので、今回はちびうさは作らず。
どうも今年は体力がなく、去年より歩けない感じなので、なるべく小股で歩く。
30分おきくらいに水場があり、水はほとんど持たなくてよいのが楽。
今のところ、雪渓の状態がこの時期にしてはとてもよいとのことで、雪渓の端でほんの少し気を付ければよいだけ。これがガラガラに崩壊し始めると、とても一般登山者には歩けるものではなくなるそうだ。
雪渓の途中で雨が強まり、ガスも濃く、もう小屋が見えるはずと言われても、なんにも見えない。
最後の急登をがんばって歩いていると、小屋があるのがわかるかい?と・・・
ん???なんにも見えませんが。と、少しガスが薄れて小屋が見えて来た。
なんだこりゃ!すぐ目の前に小屋があった(笑)画面からはみ出てます。
今年はなんだか体力に自信なしでしたが、なんとか6時間ちょっとで着きました。
水を背負わなくてよいのが助かりました。
初めての梅花皮小屋に興味津々。なんと、管理人室が別棟なんですなー。
玄関が狭いので、下足箱が室内にある。
天井にネットがあるのがおもしろい。衣類など広げて乾かせるとか。
このサンダルだとつま先カバーされていていいなぁ。水場は近い&高低差がないのでサンダルでOK。水量も豊富で条件のよい小屋だ。
まだ1時過ぎで時間はたっぷりあるけれど、なにしろ雨ガス強風。すぐ近くを見ただけで小屋で過ごす。
予報ではそんなに悪くなさそうだったのになぁと思ったら、はたと気づいたことが・・・そういえば、先週の朝日合同保全の時に「朝日ではいいけど、飯豊では鶏肉と玉子を食べてはいけないのです」と言っていたような。ううっ、両方持って来てしまったよ。
管理人さんにどうしましょと相談すると、早く食べてしまうしかないと(笑)
本当に気にする方は、絶対食べないらしいですが・・・
他のお客さんでも鶏肉持って来てた方がいて、「だから天気が悪いんです。早く食べてしまって」と(笑)
翌日に期待して就寝。
しかし、朝になってもガスガス。雨は止んだし、風も弱まったが、視界悪い。
おかしいな、鶏肉も玉子もなくなったのに、と言っていたら、管理人さんの食料に「鶏ちゃんこスープ」のレトルトが入っていて、大笑い。
うーーーーーむ。
黄色い花がたくさんあると思ったら、イワインチンだった。
オヤマノエンドウ
このへんのトリカブトはホソバトリカブトだそうな。
ミヤマコゴメグサが月山のより大ぶり。
憧れのイイデリンドウはほとんど終わっていて、わずかに残ったものも悪天候で閉じている。
朝ごはんで、今度こそ鶏肉関係なくしたからか?(笑)昼頃になってやっとガスが切れてきたので、烏帽子岳まで散歩。
ダイグラ尾根が見えた。
少し開いたイイデリンドウを一輪だけ見ることができた!いい色。
ミヤマリンドウより少し大きいんだね。
小屋のすぐ近くにこんなものが・・・いったい誰がなんでこんなのわざわざ持って来たのやら。
時間たっぷりあるので小屋の掃除などする。以東を思い出し、窓の結露拭きもやりたかったが、突き指がまだ治らなくて雑巾が絞れないので、掃き掃除だけ。
最終日、太陽はなかなか顔を見せないけれど、雲海が美しい朝。
北俣岳山頂
梅花皮小屋。お世話になりました。
門内小屋がもうそこに。ここも管理人室が別棟なんですね。小屋内部は見なかったけれど、トイレを借りてみた。男女別なのはよいなぁ。
やややっ、これは!足こぎ式のバイオトイレじゃありませんか。うわー、本物初めて見た、と一人喜ぶ。月山では電気でぐるぐるおがくずをかき混ぜているのを、ここでは用を足した人が自転車をこぐことで撹拌するんですね。
この先、梶川尾根の急な下りに備えて、ここで靴下をもう一足出して二重履きにする。(登山靴でなく長靴だもので)
扇の地紙の標柱は、ばったりと倒れたまま。
本当は扇の地神だったんでしょうね。いつどうして地紙になってしまったのやら。
ちっちゃーく梅花皮小屋が見える。
昨年の飯豊合同保全の箇所を通ります。土砂の流出や洗掘を防ぐ土砂ダムや水路、ネットがきちんと機能しているのがわかりました。
ヤシカップの一部がほじくり返されてるのは、ホシガラスの仕業とか。確かにこれは巣材に欲しくなるね。
いい。いいねぇー。
ここにも保全の成果が。杭は現地調達で、枯れ木や支障木処理した枝を使ったそうです。
金曜は、あそこを登ったんだなぁ。こうして見ると、雪渓切れてから小屋までが笑っちゃう斜度だな。
ヌキウチ
早くもナメコが!でも、もう傷んでいてだめでした。
ゴールが見えて来た。
車道に出る間際まで急(笑)
飯豊山荘で温泉に入ってさっぱりできた。
天狗平ロッジの管理人さんに、2年ぶりにお会いしてすぐ帰るはずが、なんだかとてつもなく楽しい方たちに引き止められて夕方に。
もう泊まっていきなよーと言っていただきましたが、ウサオが待っているのです。
薄暗くなって来た道を帰路に着くと、雨の中、サルが一匹道路を横断。暗くて写真はだめだけれど、わりとゆっくり見られた。
今回は憧れの石転び雪渓を登れて、一輪だけれどイイデリンドウにも会えて、本当に行ってよかった。
避難小屋やトイレの作りにも関心があるし、保全もほんの少し関わっただけで経過とか見るのがとても興味深くなるので、景色や花だけでなく、得るものがとても多い。もちろん、おっ、オコジョのフンがあるとか、初めて見る昆虫がいるとかも楽しんでおりますよ。
生き物編はこのあとで。