彩雪

北極や南極、ヨーロッパアルプスやロッキー山脈の氷雪・氷河上に
繁殖する雪上藻という寒冷地に適応した特殊な藻が月山にもある、
と最近知った。

世界的には、極地や標高3000m以上のところにある場合が多いが、
ここ日本では標高の低いブナ林で観察される。
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残雪期に一気に増えて目に付くくらいの存在になるようだが、この時期
ブナ林は、芽吹きで芽鱗が大量に雪の上に散り敷かれ、雪に含まれ
ていた小さなゴミや黄砂なんかも濃縮されてきて、表面がかなり汚い
ので、目立たないが、意識して探すと、ここにも、ほれあそこにも。

月山のブナ林では、ブナの葉が開くと、それほど直射日光にさらされな
いため、あまり派手な色にはなりにくいが、森林限界超えたところにある
雪上藻は、スイカみたいな赤になるため、「彩雪」と称されて、昔から
観察例があったらしい。
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午前中、雨のブナ林に雪上藻観察会に出かけ、採取してきたものを
顕微鏡で見せていただいた。
緑のものは、くるくるまわったり、鞭毛ふりまわしてぴこぴこと動き回る。
赤いのは、まん丸で動かない。緑と赤は、同種の藻で、活動期が緑。
天気よすぎて温度があがりすぎたりすると、やや弱ってお休み状態に
なると、光合成をやめてクロロフィルが赤い色素に変わるのですと。
で、黄色っぽいタイプのも見つかりましたが、これは別種で世界的にも
稀少なものらしい。

寒くないとだめだけど、水も必要なので、完全に凍ってしまう状態でも
活動できない・・・少し氷や雪が融ける状態で、光合成できるくらいの
太陽光も必要ってことで、この時期限定なのだ。
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急に温度が上がるとパンクして死んでしまうということで、保冷が必要。
なかなかデリケートです。

通常は、雪上藻がある場所に行くのが大変で、博物園のように車で乗り
つけて、簡単に行ける場所で採取できる場所は貴重なのだとか。
持ち帰って顕微鏡で観察したり、分析したり培養したりするためには、
いい状態を保ったまま持ち帰る必要があるが、行くのに大変な場所だと、
帰るのも大変だから、研究室に無事に持ち帰れないわけだ。

これまで気づかずにいた、ミクロの世界を垣間見た一日であった。
Commented by ゆづ at 2007-05-29 19:12 x
彩雪とは、人の名前にもいいですね。なんと読むのでしょうか?
Commented by akanezumi1984 at 2007-05-29 23:53
「さいせつ」かなぁ。いただいた資料に書いてあったけれど、講演では聞かなかったような・・・
by akanezumi1984 | 2007-05-28 01:20 | おらいの山 | Comments(2)

気がつくといつもここにいる・月山依存症末期患者の日記


by akanezumi1984
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