GAGA主催の「雪山のリスクを学ぶ講習会」に二日間通いで参加(ほとんどの方は弓張泊)
(以前は「雪崩事故防止講習会」として開催されていた)
午前中は屋内で月山山麓の雪山遭難事故の事例や、雪崩れの発生メカニズムの座学。
午後から外へ。3班編成で各班ごとに行動。
雪崩の原因となる弱層をテストする方法を実際にやってみる。これは両手を使って簡易に調べるやり方。弱層ですこっとホールケーキみたいに雪の層がとれます。
危険個所の確認や、通過方法なんかも班ごとにやってみます。既に雪庇が落ちてますなー。
スコップを使った方法もやってみます。
埋没体験。これは時間的に全員が体験することは無理ですが、見ている側も40cmほど埋まっただけでお互いに声が聞こえないこと、埋まった人は全く動けないことを実感できます。
(埋没者の安全確保のために、頭部には空間が確保されていて、体の周りも最初にブロック雪である程度ガードしてから雪を被せています)
すぐ近くにいても、声が聞こえないので、ホースを通して会話。写真中央に人が埋まっています。
雪氷研究所のKさんから積雪断面観察のレクチャー。ただ雪を掘って壁を出しただけでも、はっきりと雪の質が変わっている場所があるのがわかります。
着色し、バーナーで表面を少し溶かすと、より細かい変化まで視覚化される。
雪の温度も計り、弱層ができるメカニズムを理解します。
2日目も午前中は座学で、Kドクターから低体温症について学びます。
場所を変えて、KドクターとS救命士に現場での初期対応を学びます。
こういうのは、雪山に限らず、日常生活でも役に立ちますね。
午後の実践に備え、ビーコンの使い方も練習。
午後は、雪崩れによって埋没者がいるという設定で、捜索から救助までを実践。
3回行い、その都度の振り返りで、理解が深まっていきます・・・とはいっても、見るとやるでは大違い。救命救急の講習もそうだけど、話しを聞いたり、人がやっているのを見ている時にはわかったつもりになるものの、いざやってみるとなると、練習なのに気持ちが焦って、さっきあーしてこーしてと理解していたはずのことができなくなるもので。
しかし、全くやったことがなければ、さらにできないのは明白だから、練習しないよりはしておいた方がいいってことです。
繰り返していくと、だんだんできてくる。でも、ずーっとやらないでいるとまたできなくなる・・・
今回は、普段ガイドさんについてトレッキングするだけという方も多く参加されましたが、ガイドが雪崩に巻き込まれたり、トムラウシの事故のようにガイドも低体温症で亡くなった事例もありますから、自分の身を護るための知識や技術を身に付けておくことは大事ですね。みなさん、本当に真剣にとりくんでいました。