以東小屋日記(7/23~31)

昨夏に続き、以東岳避難小屋の管理人前半9日間終了。
忘れぬうちに備忘録。

7/23(土)晴れ→濃霧
山形5:30am出発、旧朝日村ファミマ7:00~7:10、朝日屋さん7:35、泡滝P8:00着
8:10出発、大鳥小屋10:40着、打ち合わせ。昨年と違って引継ぎがいらないのでのんびり。
昼食食べて12:30出発。直登コースで以東小屋15:20着。
この日は以東一泊周回の団体さんがいて、28人宿泊。
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団体さんに最初のつり橋で追いつきました。今日から管理人です、よろしくーとご挨拶。
昼過ぎまで天気がよかったのだが、以東についたら既にガスガス(笑)今年もかっ!
疲れているはずなのに、一睡もできなかったが特に苦にはならない。夜中、管理室の窓から
星が見えた。

7/24(日)高曇り→濃霧時々晴れ
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鳥海山
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朝日の主脈から見るおらいの山は立派だ。
この日、曇りだけれど、雲の位置が高いため、日の出が見られた。朝の光に浮かぶ、鳥海山、
月山が美しくて幸せな朝。しかし長くは続かず、10時頃には濃霧。小屋、トイレの掃除や水場
管理などしていたら、ちょっと晴れ間が!
慌てて布団を干したり(小屋の中に広げるだけだが)、携帯のソーラー充電を試みるが、すぐに
また白いガスに包まれる。でも、やんわり日差しがあって暖かいのでペットボトルの水で洗髪。
(碧玉水の汲みたては冷たすぎるから汲み置きの水使用)
夜眠れなかったので、少し昼寝。つらつら寝るのは気持ちがよい。
14時頃、小屋の前でうろうろしていたら以東山頂から単独女性現る。おやおや、ボランティアで
何度もごいっしょした新潟のTさん!ばりばりの山屋さんなのは知ってましたが、以東に来て下さる
とは。以東一泊でオツボ~直登コースの周回。本当は飯豊の予定が、なんやかやで行きそびれ、
こちらに来てくださったそうな。
16時過ぎにはバスで泡滝に着いたグループに混じり、やはりボランティアで東松島で何度も会っ
ているU君も登場。
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なんと、スイカを丸ごと背負ってきて、みんなにふるまってくれた。おいしかったー!
時おりがスが晴れる瞬間があるので、少し夕日に期待したが、ホワイトアウトな夕方に終わる。

7/25(月)濃霧、風も強い
3:51地震で目が覚めるが、皆、落ち着いていた。縦走の方たちは5時頃出発。Tさんも6時前に
下山。小屋、トイレ掃除の後、窓の結露拭き。
16時過ぎに朝日屋さんとKさんのお二人到着。登山道刈払いのための前泊。他に単独男性で
泊まりは三人だけ。
デポしてあった刈払い機をチェックしたら、まさかの故障。しかし小屋にある工具類には必要な
工具がなくピンチ。Kさんが粘り強く、工具を作るところから始めて苦闘二時間半!!暗くなって
朝日屋さんとおいらとでライトで照らしながらの修理であった。修理できて本当に良かった。

7/26(火)高曇り→にわか雨、濃霧
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雲ってはいるが、日の出と影以東が見られた。その後もガスらず、暖かいので掃除の後に
布団や毛布を広げ、少し洗濯もできた。昨夏も晴れ間は最初の二日だけでずっと濃霧だっ
たので、このチャンスはもうないかもしれぬ!と、サブザックに水と食料、雨具を入れて7:40
出発。定時交信に遅れてはいけないので、ペース速めで狐穴を目指す。6時頃刈払いに
出かけた朝日屋さんたちを追い抜き、9:10狐穴小屋着。ちょうど小屋番のAさんが小屋前の
水場にいて、久しぶりに会えた!昨夏は以東に一週間いて、一度もチャンスがなかったのだ。
しばらく話していると、三方境で調査していると思っていたU君が小屋から出てきた。もう調査
が終わり、帰るところだと言うので、以東までいっしょに戻ることに。
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イブキジャコウソウ
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ミヤマコゴメグサ
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タカネマツムシソウとハクサンイチゲ

10:00狐穴小屋を出て、U君と話しながら、こちらは荷物軽く、U君は体力あるのでいいペース
で歩き、以東山頂に12時ちょうど到着。その少し前から黒っぽい雲が湧き始めていたが、山頂
で昼ごはん食べていたら、ぽつぽつ雨粒が落ちてきた。慌てて小屋に戻るとにわか雨ざあざあ。
よいタイミングで戻ったものだ。しかしこの雨、以東だけだったようで、刈払い組は狐にいて雨に
当たらなかったという。
泊まりは4人パーティーと単独女性、刈払いの二人で7人。夜中星が出ていた。

7/27(水)濃霧、風強め。たまに日がさすが、時おり雨も降る不安定な天気。
掃除が終わった後、天気が悪くて読書するしかないかと思っていたら、昼前に少し晴れ間があり、
慌てて洗髪とTシャツ一枚洗濯。が、すぐにガスり、速乾素材のTシャツがさっぱり乾かない。
13:30に早くも泊まりの8人パーティー到着。前日に大朝日小屋泊の計画だったのに、ビール
のために竜門に変更したのだという。竜門からなら大鳥まで十分下れるはずだが、せっかくだか
ら稜線に長くいたいのだそうな。うーん、天気がよければね・・・
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この日は日中は基本濃霧、たまにぱらっと雨が降ってはすぐ止む天気で、登山者は雨具を着たり
脱いだり忙しかったというが、ひどく濡れることがなく小屋に到着。しかし夕方からは雨になり、トイレ
や歯磨きのうがいぺっ、も面倒に。玄関の庇が短いのでドアを開けるとすぐに濡れるのだ。
長野からの8人さんは、歌う山岳会。次から次に歌っていた。貸切なので少しくらい遅くまで騒いで
いてもいいですよと言ったが、疲れているのか19時半には急に静かになった。

7/28(木) 雨
8:30頃サブザックに傘差しの男性が小屋に。昨夜は狐穴に泊まり、今夜は竜門の予定と言う。
初日は鳥原小屋だったというから、ピークハントではなく山でじっくり過ごすのが好きな方。せっか
く稜線でたっぷり時間をとったのに天気が悪くお気の毒。なにも見えない濃霧だが、暇だから散歩
に出たという。竜門泊じゃ時間が有り余るから、どうぞゆっくり休んでってくださいとコーヒーを勧め、
1時間ほどお話。小屋番していると、こういう根っから山が好きな単独行の方とお話できるのが
楽しみなのである。
傘の男性が帰って、ほどなくまた単独男性到着。昨夜竜門泊で、今日は大鳥小屋までだそうな。
ちょうど降りがひどかったので、早めの昼ごはんなのだろう、パンと水だけ出して食べ始めたので、
ちょうど作ったばかりだった野菜たっぷりの暖かいスープを一杯進呈。とても喜んでいただいた。
13時の交信で泡滝までの道路のどこかが土砂崩れで通行止めと知る。明日には復旧するという
から、先ほどの男性は予定通り帰れるだろう。
しかし、ラジオを聴いていると新潟、会津が大雨で被害が出ている。鶴岡に出て新潟経由で関東
に帰る経路は大丈夫なのだろうか?
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初めての一人だけの夜となった。狭苦しい管理人室から湿気た布団を引っ張り出し、広いところに
寝た。

7/29(金)濃霧、風雨強し。
前任者のIさんが置いていってくれたお抹茶の最後の残りを二服続けていただいて、飲みつくす。
かわいい干菓子も終了。上等な干菓子は和三盆がほろりととけておいしい。次回は自分で買って
持って来ようか。お抹茶は道具を返してしまうから、粉末緑茶でもよいかな。
道路の通行止めは解除。しかし、天気は相変わらず悪い。こんな天気に登山者は来るのか?
誰もいないので一人でラジオ体操(笑)
11時半頃、ずぶ濡れで国土地理院の仕事の方三名到着。直登コースを来たら、渡渉が膝まで
のじゃぶじゃぶ。登山道もこんなにラフだと思わなかったと言ってひとしきりがやがや。
時間も時間なのでまずはゆっくり小屋で休憩して、昼ごはんの後に仕事をしてそのまま下山を
オススメ。前日の通行止めで一日停滞したようで、朝日屋さんに二連泊したという。おにぎり弁当
持参だが、水しか持っていないようなので、お湯とインスタントのコーヒー、味噌汁をあげたら狂喜
してくれた。
泡滝からの日帰りなので、それほど大きい荷物ではないのに「これ何キロあると思います?」と
持たされたザックがやけに重い。一等三角点にICチップを埋め込むため、電気ドリルが入って
いるのだと。そりゃ重いわ。大阪から来た三人組、お一人落ち着いた年長さんが正規の職員さん
で、わいわい元気な若手二人はバイトさんかなぁ?8月にまた測量に来るというので、再会が楽しみ
である。
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後日撮った一等三角点。白い標柱が新設され、小さくてわかりにくいが一等三角点に小さな金色
のICチップが埋め込まれている。
午後、大朝日から縦走してきた単独男性一人だけ宿泊。

7/30(土) 濃霧。雨は止んだ。時おりガスが切れてちらっと山が見える。
雨で雪渓がかなり解けたので、水場までのロープをあちこち張りなおす。
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少し暖かくなると、とてつもない大量のウエツキブナハムシが現れ、そこらじゅうに蔓延。
東北森林管理局登山道巡視で三名。S山岳会5名。単独の方が大朝日から1名、泡滝から2名
で、計11名の宿泊。泡滝から登って来た東京の男性は見知った顔。毎年この時期に朝日の縦走
にいらっしゃる。
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たまにガスが切れ、夕日が少し見られた。
それにしても夏山最盛期の土曜でたったの11人。少ないなぁ。個人的には山は静かな方がよい
し、小屋に泊まる方たちもゆったりできてよいけれど、相変わらず遠出、特に東北へ出かけるのを
控えている方が多いということだろうか。

7/31(日)高曇り、一部ガス
小屋の窓から以東ピーク方向は真っ白で、朝日はだめかと思ったら、日の出そのものは見えない
ものの、北と西側は雲がなく、鳥海山や粟島が見えた。
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寒さにかじかみながら鳥海山の雄姿と滝雲に見とれた。
23日大鳥に着いたところで1日までやってくれないかと頼まれたが、登山者が少ないようなので
31日に下山でよいということになり、通常の掃除の後、なんやかや下山の準備。売り物のビール
は管理室に収納。この日以東泊まりだった方はいただろうか?ビールなくてすみません。
次の方にわかりやすいよう、いろいろまとめておく。
9時過ぎ、小屋の外に見知った方発見。酒田のIさん登場。健脚のIさんは泡滝から日帰り周回と
のこと。オツボで登って来たので、帰りは直登コースというのを「いっしょにオツボ下りましょうよ」と
だめもとで言ってみたら、おつきあいくださった。優しいIさん、ありがとうございます。
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ハクサンオミエシ
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ヒメサユリ残ってた!写真はちとピンボケですが・・・
往きは直登コースで花を見ていないので、下山でオツボコースを歩かないと。月山では見られない
ヒメサユリとマツムシソウを楽しみに下るのだ。下山途中、一瞬以東の小屋が見えたが、撮影する
前にガスに包まれてしまった。けっこう晴れてきたのに、山頂にだけガスがついている。
11:30大鳥小屋着。Iさんに鶴岡木村屋のごま福をいただいた。山頂ではまだ凍っていたので、
食べ頃になるまで背負っていてくださったようで。ひんやり、でも柔らかくって、とてもおいしかったで
す。ごちそうさま!
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大鳥小屋の番頭さんから、心づくしの昼食をご馳走になる。ちょっと甘いごまだれが最高においしい!
いろいろ報告をして、13:10大鳥小屋出発。番頭さんに「朝日屋さんに3時頃行くって言ってあるから」
と言われ、わたわたと下山。でも朝日屋3時着は走らないと無理ってもんです。泡滝に15:05着。
朝、左足小指に靴下があたる感じがあったのに、そのまま薄い軍足だけで下山してしまったら、途中
から小指と足の裏が痛かった。下山時はやっぱり厚手の靴下履くべきだな。
Iさんに聞いたクワガタレストランの木は見つけられなかった・・・
朝日屋さんに寄って業務手続。シャワーを使わせてもらって、かゆかゆの頭がスッキリ!
下るに従い暑くなり、最後の方はじりじり日差しにも焼かれたので、冷えたスイカがしみわたりました。
旧朝日村のファミマではカナダドライのピーチスパークリング?を買って、しゅわしゅわを楽しみながら
帰路についた。

8泊9日は案外短く、あっという間に終わってしまったなぁ・・・

8/5~10また入るけど。
Commented by maro4070 at 2011-08-02 17:58
素晴らしい朝焼けでしたね。
ICチップは船形山でもドリルで開口して埋め込んでいました。
これで、GPSで自動計測できるらしいですね。
管理人さん、お疲れさまでした。(^o^)
Commented by akanezumi1984 at 2011-08-02 20:24
maroさん、結局8泊してもちゃんとお日様が昇ったり沈んだりしてるの
は、一回だけ。ほんのちらちら見えたのが二回くらいなものでした。
晴天の日帰り山行の何分の一か程度の撮影コマですが、少しよさげな
ものをアップしましたよ。
三角点のICチップ、GPSで計測できるけれど、やっぱりその場に行く
必要があるようで(笑)
5日から10日でまた以東にこもります。
Commented by morino1200tb at 2011-08-03 00:02
24日の日の出は素晴らしいですね。
神々しい輝き、見たいものです。
水場はまだ残雪の中?水汲み大変そう。
以前は「かたくり温泉ぼんぼ」で入浴したのですが、朝日屋さんは普通の人でも日帰り入浴OKですか?
今週からまた以東小屋ですね。ご苦労様です。
Commented by s-wajima at 2011-08-03 20:39
すごすぎ!この行動力・・・羨ましい。
朝夕の太陽はじめ高山植物の素晴らしいこの感動を元気な頃の自分が思い出してます、数こそ少ないが南・北アルプスと富士山経験してます、山頂より眼下に小さな花火見てました。

「富士山」=あの山は登る山じゃない、下界から眺める山だ・・・と良く言われました。
Commented by akanezumi1984 at 2011-08-03 22:59
morinoさん、ばっちり快晴の日は一日もありませんでしたが、この日
は午前中高曇りで、日の出だけ見られました。ちょっと上がると太陽は
また雲の中でしたが、昼近くまで雲が高いところにあって、山並みが
見られました。昼から黒雲が押し寄せ、にわか雨の後は濃霧。その後
は最終日の朝までほとんど雲の中でした。
水場は碧玉水まで下ってもらっています。雪渓歩かずに行ける様に
なりました。
朝日屋さんは温泉ではないので、夕方にならないと浴槽にお湯張って
ないようです。入浴はぼんぼか、西川町の水沢あたりでどうぞ。
Commented by akanezumi1984 at 2011-08-03 23:02
wajimaさん、行動力がすごいわけではないですよ。会社辞めてから
仕事があったりなかったりで暇なので、こういう仕事ができるようになっ
ただけです。
どこの山にも、そこならではの魅力がありますね。
あとは、遠くまで行きたいか、近くの山で満足するか。東北の山は、奥
が深くて、人が少ないのが魅力です。
by akanezumi1984 | 2011-08-01 21:33 | ほかの山 | Comments(6)

気がつくといつもここにいる・月山依存症末期患者の日記


by akanezumi1984