マタギサミット
2010年 07月 03日
第21回「ブナ林と狩人の会:マタギサミット」in 朝日町にお話聞きに。
「何故、クマは里に下るか」というテーマのパネル・ディスカッションに期待していた
が、なにせ時間が短すぎました。続きは交流会の場で、という感じで、非常に残念。
今回おいらはサミットだけの参加なのである。まぁ、プログラム見た段階でこの時間じゃ
無理だよなぁと思っていたけど。
でも、研究者による安定同位体による食性履歴というのは、とても興味深かった。化学式
など出されるとめまいがするが、要はとにかく体中どこでもいいから組織を分析すれば、
数ヶ月とか一年くらいの長期的な食事の傾向がわかるというものであった。
毛が一本あれば調べがつくのだから便利。糞や胃内容物からでは、その時食べたものしか
わからないし、胃内容物なんてクマが死ななきゃわからない。でも、この調査法ならクマ
を傷つけることなく、しかも毛の根元から毛先にかけて、時間経過による変化がわかるの
だというからすごい。炭素安定同位体と窒素安定同位体の数値により、たんぱく質や糖質
の摂取バランスからクマの採餌傾向がある程度わかる。
北海道や長野で問題になっているデントコーンの食害エリアでは、畑荒らしをした時期に
は炭素安定同位体の数値が上がるし、山の生活に戻ればたんぱく質も糖質も少ないヘルシ
ーな数値に、残飯荒らしをすれば人間の数値に近づく。実におもしろかった。
但し、この調査法では同じように畑を荒らしても、果物では炭素安定同位体が増えないの
で、山形ではいまいち使えないかも・・・
山大T教授による「山形で今、何が起きているか?」
これもなかなか衝撃的だった。しかし、どうやって?と謎が残る。詳しくは、〇まぁに
聞いてみよう。
「クマの住み家と食堂としての広葉樹林で起こっている事」では、広葉樹に被害をもたら
す新たな脅威について初めて知った。おいらは普段標高の高いところでばかり遊んでいる
ため、コナラ帯で起こっているなんたらカイガラムシの害について何も知らなかったなぁ。
(うっかり会場に資料を忘れてきてしまい、名前思い出せず。いっぱいメモも取ったのに)
検索してみたら「カツラマルカイガラムシ」でした。
て
サミット会場でマタギ関係の書籍に混じり、なぜか売られていた分厚い本。全24巻のうち
の5巻ほどが数冊ずつ、在庫処分なのか超お買い得価格にて売られていたので、思わず購入。
しばらく悩んだ末、やはり選んだのは「北」。なぜかアラスカとかシベリアとかサハリンと
か北に惹かれるのである。
(僕も行きたかった!)
数年前に、山大で行われた『クマを語る集い』には
参加しました。
T教授は僕が行ってた学校にいらしたので、
山大でお会いしてビックリしました!
栄転されたのですね~(笑)
組織検査から食性がわかるのはすごいですね。
毛を採取するにやはりワナを用いるのでしょうか??
ナラ枯れは河北町でも出ました。
去年、葉山の東側はけっこうやられてて、
今年は芽吹かず立ち枯れのままですねぇ。
あ、毛の採取はヘア・トラップで。番線の囲いの中に蜂蜜を起き、どうしても蜂蜜が食べたいクマがとげとげをかいくぐって蜂蜜に迫ろうとして毛がひっかかるという仕組みでした。
まだ序文しか読んでいません。読破するのは秋の夜長か冬になりそうです。