星野直子さん講演会

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12日午後は、寒河江で星野直子さんの講演会があった。
星野道夫さんは、写真はもちろんだが、その暖かく優しい文章がとても好き
で、亡くなったときは悲しく、そして、もう新たな作品は生まれないのかと、と
ても惜しい気持ちだった。
星野さん本人はもうこの世にいないけれど、奥様になにを語り、いっしょに
どんな風景を見たのだろうか?
講演会は、80枚ものスライドを投影しながら、直子さんがそれぞれに短い
説明や、時に星野さんが書いた文章を読んだりして進められ、直子さんの
講演会というよりも、星野道夫さんのスライドショー。それでも、ワンシーズン
だけ一緒に出かけたという撮影旅行のエピソードや、フェアバンクスの自宅
に戻ってから、星野さんが語った撮影時のエピソード、自宅周辺でのエピソ
ードなどが静かに語られ、やっぱり人前で話すのが苦手な星野さんが傍ら
で恥ずかしそうに聞いているのでは?と思えるような静かで心打つひとときで
ありました。

たぶん、ほとんどの方は、星野さんが亡くなられてからその作品に触れたの
ではないだろうか?
おいらはたまたま子どものころからの生き物好きのせいで、学生時代から高い
なぁと思いつつもアニマという動物専門の月刊誌を買っていて(ずいぶん前に
廃刊になりました)、星野さんが1986年にアニマ賞を受賞して作品がアニマに
発表されたため、早くからのファンとなった。
それ以前は、子どものころからいつか行ってみたい外国はアフリカだったのが、
星野さんの作品に出会ってからアラスカに変わった。
91年、初めての海外旅行でアラスカに向かったとき、なんと、行きの飛行機に
星野さんが乗っているのに気づいた。どうしたものか迷ったが、アンカレジに
着いて荷物の受け取り待ちの時に、思い切って話しかけ、星野さんの作品の
影響でアラスカに来たこと、文章も写真も楽しみにしていますと伝えると、照れ
くさそうに握手してくださった。大きく頑丈な暖かい手だった。
その後、なんだかんだ10回以上アラスカに行った(ほとんどアラスカにしか
旅行していない)が、最初のうちは現地で知り合った人に名前を言っても
知らないと言われたが、本屋で写真集を見つけてとても嬉しく思ったりした。

アラスカの風景や生き物だけでなく、人にも強い思い入れがあり、国境も海峡も
関係なく行き来していたアラスカとロシア沿岸の人々を精力的に取材していて、
今後の作品もとても楽しみにしていたのに、志半ばで亡くなってしまった。

クマを祖先に持つと考える人々や、ワタリガラスが世界を創造したと考える遠い
神話の世界。博物館に保存されているものではなく、人知れず朽ちていく古い
トーテムポール。
人もクマも森も川も海も、全てがつながっている。

そういう世界に気づかせてくれた人でした。
Commented by nabe at 2009-07-13 21:55 x
直子さんの話しは何度か私も聞いたことがありますが、
静かに語り始めるのですが話の中にドンドン入り込んでしまいます。
私はちょうどTVなどで取り上げられるようになったころに存在を知り、事故のニュースもTVのニュース番組中に知りました。
彼の写真は動物の写真がいっぱいありますが、
アラスカの広大な大地と動物が写る物、
可憐な植物(花)を写す物が好きです。

また、彼のちょっとしたコメントがまたまた好きです。
「旅をする木」を友達から勧められ読んでから、
とても影響を受けたことをいま、また思い出しました。
Commented by akanezumi1984 at 2009-07-13 22:47
地方都市では、こういう機会は少ないので、こんなに近くで?
とラッキーでした。

アラスカというと、どうしてもグリズリーだ、ムースだと、大型の動物
にカメラマンも観光客も目がいきがちですが、足元の小さな花や、
あえて大きな生き物を広い広い画角の一部にぽつんと入れる写真、
私も好きですねぇ。
Commented by ヤマボウシ at 2009-07-14 07:04 x
星野道夫さん亡くなってから
時は流れているんですね!
あの衝撃は忘れる事ができません。
ババより若い方だったんですね。

あかねずみさんも、お山気をつけて下さいね!
少々無茶しそうだから………^•^

時間あったらおいでください。(^•^)
Commented by イシ at 2009-07-14 07:10 x
 星野さんとの出会いは、最初の本『アラスカ 光と風』でした。著者はもちろん本の内容も知らなかったのですが、タイトルに惹かれて買ったことを思い出します。文章からは謙虚な人柄が伝わってきて、その後は本が出るのを楽しみにするようになりました。

 星野さんの(とくに動物の)写真を見ていると、そこには撮影者が存在せず、自然の瞬間をそっとのぞかせてもらっているような気持ちになります。もう新たな作品が出てこないのは残念ですが、これまでの作品を読み返す度に伝わってくるものはありますね。
Commented by akanezumi1984 at 2009-07-14 08:36
ヤマボウシさん、そのうちきっと若に会いに行きます。
ヤマボウシさんも、無茶はしないかもしれないけれど、無理はしそう
だから気をつけてくださいね(笑)
Commented by akanezumi1984 at 2009-07-14 08:46
イシさん、謙虚というか、けして自然に逆らわない姿勢というか・・・
アラスカンから見れば、銃も持たずに原野に一ヶ月も入るなんて
クレイジーとも言える行動だったのかもしれませんが。
たぶん、たくさん書いたり、ばしゃばしゃ撮影しまくる人ではないと
思うのですが、それでもきっと、厳選と推敲を重ね、実際に発表し
ているのは、膨大な作品のごく一部。
写真展などでは、未発表作が公開されることもあるでしょうね。

本は、一度読めばよしの作品と、しばらく時間を置いて何度も読み
返したい作品とありますが、井上靖さんや星野さんの作品というの
は、ずっと手元に置いて、ふと思い出して何度でも読みたい作品で
す。
by akanezumi1984 | 2009-07-13 21:10 | Alaska | Comments(6)

気がつくといつもここにいる・月山依存症末期患者の日記


by akanezumi1984